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墓じまい費用平均は30万?相場・内訳と安く抑えるコツをプロが解説

墓じまい費用平均は30万?相場・内訳と安く抑えるコツをプロが解説 墓じまい

「実家の墓じまい、そろそろ考えないとなぁ…」と思いつつも、費用のことが心配で先延ばしにしていませんか?

実家の墓をどうしようか悩んでいるあなたへ。墓じまいにかかる費用の平均や内訳、正直かなり気になりますよね。もし手持ちの資金で払えない場合に補助金があるのか、そもそも兄弟の中で誰が払うべきなのか、うちは浄土真宗だけど他と違うのか、公営墓地なら安くなるのか…などなど、調べれば調べるほど不安は尽きないと思います。

私自身、供養業界に長く身を置いていますが、墓じまいは一生に一度あるかないかの大仕事。適正価格がわからず不安になるのは当然のことです。この記事では、そんな墓じまいに関するお金の疑問を徹底的に解消し、あなたが後悔なくスムーズに手続きを進めるための知識を余すことなくお伝えします。

この記事でわかること
  • 墓じまいの総額相場と費用の詳細な内訳シミュレーション
  • 浄土真宗や公営墓地など、ケース別の費用事情
  • お布施や離檀料など、お寺にかかる費用のリアルな相場
  • 費用を安く抑えるための具体的な裏ワザと補助金の話
  • 万が一払えない場合の対処法と親族間トラブル回避術
供養プランナー高村宗一

業界歴20年以上、石材店・葬祭企業にてのべ1,500件以上の「墓じまい」「永代供養」の相談に対応。 専門用語が多く不透明な供養業界において、特定の業者に偏らない「中立的な立場」から、後悔しないための正しい情報を発信しています。

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墓じまいの費用平均と相場や内訳

墓じまいの費用平均と相場や内訳
  • 墓じまい費用の内訳と詳細な金額
  • 浄土真宗の場合の墓じまい費用
  • 公営墓地での墓じまい費用と注意点
  • 離檀料やお布施の相場について
  • 墓じまいの費用は誰が払うのか

墓じまいを検討する際、何よりも先に把握しておきたいのが費用の全体像です。「墓じまい」と一口に言っても、単に現在の墓石を撤去して更地にする工事費だけではありません。お世話になったお寺へのお礼や、取り出した遺骨を新しく供養するための改葬費用、さらには細々とした行政手続きの手数料など、想像以上に様々な項目で出費が必要になります。

ここでは、墓じまい費用の平均的な相場と、その内訳について、どこよりも詳しく解説していきます。数字を見ることで、漠然とした不安を具体的な計画に変えていきましょう。

墓じまい費用の内訳と詳細な金額

墓じまい費用の内訳と詳細な金額

まず結論からお伝えすると、墓じまいにかかる費用総額の平均的な目安は、30万円~300万円と非常に大きな幅があります。

「そんなに幅があったら参考にならないよ!」と思われるかもしれませんね。しかし、これほど金額に差が出るのには明確な理由があります。それは、撤去した遺骨の「新しい納骨先(改葬先)」のランクや、既存の墓石の大きさ、そしてお寺との関係性(離檀料の有無)によって、費用が大きく変動するからです。例えば、合祀墓を選んでお寺とも円満なら数十万円で済みますが、立派な新しいお墓を建てて離檀料も高額になれば、数百万円コースになることも珍しくありません。

費用の構成を細かく分解すると、大きく分けて以下の4つの柱になります。それぞれの相場と変動要因を詳しく見ていきましょう。

費用の項目相場(目安)詳細・変動要因
1. 墓石の撤去・解体費用10万円~30万円一般的に1㎡(1聖地)あたり10万円前後が相場です。ただし、重機が入らない場所や石の量が多い場合は割増になります。
2. 寺院・宗教関連費用3万円~20万円お墓から魂を抜く「閉眼供養」のお布施(3万〜5万円)と、檀家を抜ける際の「離檀料」(3万〜20万円程度)が含まれます。
3. 新しい供養先(改葬)の費用5万円~200万円ここが最も費用差を生むポイントです。合祀墓なら安価ですが、新しい一般墓や高級納骨堂を選ぶと高額になります。
4. 行政手続き・雑費数千円~数万円自治体への「改葬許可申請」手数料や、石材店に依頼する「遺骨取り出し作業費」(2万〜5万円)などです。

【重要】墓石撤去費用の見積もりが高くなるケース

石材店から出てきた見積もりが「相場より高い!」と感じる場合、以下の条件に当てはまっている可能性があります。これらは物理的な作業負担が増えるため、正当な追加費用として計上されることが多いのです。

  • 重機が入らない難所: クレーンやトラックが墓所の真横まで入れず、狭い通路や長い階段を手作業や運搬車で往復する必要がある場合、人件費として20%〜50%ほど割増になることがあります。
  • 基礎が頑丈すぎる場合: 昔のお墓などで、基礎コンクリートが異常に厚く打たれている場合、解体とガラ(瓦礫)の処分に手間がかかるため、費用が上がります。
  • 外柵(巻石)が豪華: 墓石本体だけでなく、敷地を囲む外柵(巻石)が大きく立派な場合、石材の廃棄処分量が増えるため処分費が加算されます。

近年、少子高齢化を背景に「墓じまい(改葬)」の件数は増加傾向にあります。厚生労働省の統計によると、令和4年度の全国の改葬件数は15万件を超えており、多くの人がこの問題に直面し、費用を捻出している現状がうかがえます。

(出典:厚生労働省『令和4年度衛生行政報告例 統計表』

見積もりチェックのポイント
見積書をもらったら「一式」という記載だけでなく、「石材撤去費」「残土処分費」「基礎解体費」「運搬費」など、内訳が細かく記載されているかを確認しましょう。内訳が不明瞭な業者は避けたほうが無難です。

浄土真宗の場合の墓じまい費用

浄土真宗の場合の墓じまい費用

「うちは代々、浄土真宗なんだけど、他の宗派と違って特別な費用がかかるのかな?」そんな疑問をお持ちの方も少なくありません。浄土真宗は日本で最も門徒(信者)数が多い宗派の一つですが、その教義には独自の特徴があります。

結論から申し上げますと、費用相場自体は他の宗派と大きく変わりません。墓じまいにかかるトータルの金額は、先ほど紹介した相場の範囲内に収まることがほとんどです。

しかし、費用の「名目」や「儀式の意味合い」が異なります。ここを理解しておかないと、お寺さんに対して失礼になってしまうこともあるので注意が必要です。

「魂抜き」ではなく「遷仏法要」

一般的に、お墓を解体する前には「閉眼供養(へいがんくよう)」や「魂抜き(たましいぬき)」と呼ばれる儀式を行います。これは、お墓に宿っている仏様の魂を抜いて、ただの石に戻すという意味合いがあります。

ところが、浄土真宗にはそもそも「お墓に魂が宿る」という概念がありません。亡くなった方はすぐに阿弥陀如来の力によって極楽浄土へ生まれ変わる(往生する)とされているため、お墓に霊魂が留まっているとは考えないのです。

そのため、浄土真宗では「魂抜き」を行わず、代わりに「遷仏法要(せんぶつほうよう)」「閉眼法要(へいがんほうよう)」を行います。これは、「これまで私たちがお参りできる場所として、仏様(阿弥陀如来)やお先祖様を大切にしてきたお墓に対して、感謝を申し上げる儀式」であり、ご本尊(阿弥陀如来)を別の場所へ移すという意味合いになります。

お布施の表書きと相場

儀式の名称は違いますが、お坊さんに来ていただき、お経をあげてもらうことに変わりはありません。その際にお渡しするお布施の相場は、他宗派と同様に3万円~5万円程度が一般的です。

お布施の封筒(のし袋)の表書きには、「お布施」や「遷仏法要御礼」と書くのがマナーです。「閉眼供養料」や「魂抜き料」と書くと、教義と食い違ってしまうので避けたほうがスマートでしょう。

宗派による費用の違いと注意点
浄土真宗に限らず、歴史ある格式高い寺院や、京都などの総本山に近い寺院の場合、お布施の相場が一般的な金額よりも高くなる(10万円〜など)傾向があります。「お気持ちで」と言われた場合でも、地域の慣習やそのお寺の相場が存在することが多いので、事前に親戚や総代さん、あるいは石材店などの詳しい方にこっそり確認しておくと安心です。

公営墓地での墓じまい費用と注意点

公営墓地での墓じまい費用と注意点

自治体(市町村)が運営する「公営墓地(公営霊園)」にお墓をお持ちの方も多いでしょう。公営墓地での墓じまいは、お寺の境内にある「寺院墓地」とは異なる費用構造と、独自の注意点があります。

最大のメリットは、「離檀料」がかからないことです。公営墓地は宗教的な縛りがないため、檀家制度そのものが存在しません。したがって、墓地を返還する際に管理者(自治体)に対して高額な謝礼を支払う必要がなく、事務的な手続き費用(数千円程度)で済むことがほとんどです。この点において、寺院墓地よりも費用総額を安く抑えやすい傾向があります。

指定石材店がないことのメリットとデメリット

多くの公営墓地には「指定石材店制度」がありません。これは、どの石材店に工事を依頼しても良いという意味です。寺院墓地や民営霊園では「工事はこの業者しかダメ」と決められていることが多く、言い値での発注になりがちですが、公営墓地なら自由に業者を選べます。

これにより、複数の石材店から相見積もりを取って、価格競争を促すことが可能です。「A社は30万円だったけど、B社は25万円でやってくれる」といった交渉ができるため、工事費用を適正価格、あるいはそれ以下に抑えられるチャンスがあります。

一方で、デメリットも存在します。

原状回復(更地戻し)の基準が非常に厳しい
公営墓地は、次の利用者に区画を貸し出すため、返還時の「原状回復」の基準が厳密に定められています。例えば、

・基礎コンクリートを地中深くまで完全に撤去すること
・撤去後に新しい山砂を入れて整地すること
・隣接するお墓に一切の傷をつけないこと(養生の徹底)

などが求められます。安さだけで選んだ質の悪い業者に依頼すると、作業が雑で役所の完了検査に通らず、追加工事費用を請求されたり、最悪の場合は再工事が必要になったりするトラブルも起きています。

公営墓地での墓じまいを成功させるコツは、その霊園での施工実績が豊富な、信頼できる石材店を見つけることです。「安かろう悪かろう」にならないよう、見積もり時の対応や実績をしっかりチェックしましょう。

離檀料やお布施の相場について

離檀料やお布施の相場について

墓じまいを考える中で、最も精神的なハードルが高く、また費用面でも不安を感じる方が多いのが、お寺との関係、特に「離檀料(りだんりょう)」についてではないでしょうか。メディアで「離檀料トラブル」などが取り上げられることもあり、身構えてしまう方も多いと思います。

離檀料の正体と相場

離檀料とは、寺院墓地の檀家をやめる(離檀する)際に、これまでご先祖様を供養してくださったことへの感謝を込めて、お寺にお渡しする「お布施(お礼)」の一種です。あくまで「お気持ち」であり、法的な支払い義務がある「解約金」や「違約金」のような性質のものではありません。

一般的な相場は、法要1回〜3回分程度のお布施、つまり3万円~20万円程度と言われています。これまでの付き合いの深さや、お寺の格によっても変わりますが、数十万円も包む必要はないケースが大半です。

高額請求トラブルを防ぐために

「ニュースで見たように、数百万円も請求されたらどうしよう…」と不安になるかもしれませんが、実際にそのような法外な請求をされるケースは極めて稀です。消費者庁や国民生活センターにも相談が寄せられていますが、トラブルになるケースには一定のパターンがあります。

それは、「事前の相談なしに、いきなり事務的に墓じまいを通告した場合」に起こりやすいです。

お寺のご住職も人間です。長年守ってきたお墓を、何の相談もなく「撤去します、書類に判を押してください」と一方的に言われれば、寂しさや憤りを感じることもあるでしょう。そうした感情のもつれが、「それなら相応の誠意を見せてください」という高額な要求に繋がってしまうのです。

トラブル回避の鉄則は「相談」から入ること
「墓じまいを決定事項」として伝えるのではなく、「継承者がいなくて困っているのですが、どうしたらよいでしょうか」と、まずは住職に相談する姿勢を見せることが重要です。事情を説明し、これまでの感謝を伝えれば、ほとんどの住職は親身になって相談に乗ってくれますし、離檀料についても常識的な範囲で収まることがほとんどです。

墓じまいの費用は誰が払うのか

墓じまいの費用は誰が払うのか

墓じまいの見積もりを取って金額がわかった後、次に直面するのが「この費用、一体親族の誰が負担するのか?」という非常にデリケートな問題です。

原則は「祭祀承継者」の負担

法律(民法)の考え方に基づけば、お墓や仏壇などの「祭祀財産(さいしざいさん)」を受け継いだ人、つまり「祭祀承継者(さいししょうけいしゃ)」が、お墓に関する全ての権利と義務を負うことになります。一般的には、お墓の名義人となっている長男や長女がこれに当たります。

したがって、原則としては「墓じまいの費用も名義人が支払う」というのが基本的な考え方です。

実情は「みんなで協力」が多い

とはいえ、墓じまいには数十万〜百万円単位のお金がかかります。また、お墓に入っているのは自分だけの親ではなく、兄弟姉妹にとっても大切な親や先祖です。「名義人だから」という理由だけで、一人に全額負担を強いるのは、あまりに負担が大きく、不公平感から親族間の亀裂を生む原因にもなりかねません。

実際には、以下のように柔軟に対応しているケースが多いです。

  • 親の遺産(相続財産)から捻出する: これが最もスムーズな方法です。遺産分割協議を行う前に、墓じまい費用を「必要経費」として確保しておくのです。
  • 兄弟姉妹で折半する: かかった費用を兄弟の人数で割り勘にする方法です。明確で公平感があります。
  • 親が生前に用意しておく: 終活の一環として、親自身が墓じまい費用を預金として残しておいたり、生前に墓じまいを済ませておいたりするケースも増えています。

相続税の控除にはならない?
注意点として、墓じまいの費用は、相続税の計算上、遺産総額から差し引ける「債務(借金など)」としては認められないのが一般的です。また、お墓そのものは非課税財産ですが、墓じまい費用を誰がどう負担するかはあくまで私的な取り決めとなります。税務上の扱いについては、税理士等の専門家に確認することをお勧めします。

墓じまいの費用平均を安くする対策

墓じまいの費用平均を安くする対策
  • 墓じまい費用の補助金制度の有無
  • 墓じまい費用が払えない時の解決策
  • 複数の石材店で相見積もりを取る
  • 樹木葬や合祀墓など供養先の選択
  • 墓じまいの費用平均を把握しプロへ相談

ここまで費用の現実をお伝えしてきましたが、やはり「できるだけ安く抑えたい」というのが本音ですよね。墓じまいは、やり方や知識の有無で、数十万円単位でコストダウンできる可能性があります。

ここからは、質を落とさずに費用を賢く抑えるための具体的な対策と、知っておくべき制度について解説します。

墓じまい費用の補助金制度の有無

墓じまい費用の補助金制度の有無

リフォームやエコ給湯器には補助金があるように、「墓じまいにも補助金はないの?」と期待される方は非常に多いです。自治体にとっても「無縁墓」が増えるのは困るはずですから、助成してくれても良さそうなものですよね。

しかし、残念ながら基本的に、個人の墓じまいに対する国の補助金制度はありません。

お墓はあくまで「個人の財産(私有物)」という扱いになるため、その処分に税金を投入するのは難しいというのが現状です。

例外的に補助金が出る自治体も

ただし、諦めるのはまだ早いです。ごく一部の自治体では、墓地不足の解消や無縁墓対策として、独自の補助金制度を設けている場合があります。

例えば、過去には以下のような事例がありました(※制度は年度により変更・廃止されるため、必ず最新情報を確認してください)。

  • 千葉県市川市: 市営霊園の一般墓地を返還する場合、条件を満たせば数十万円の報奨金が出る制度。
  • 千葉県浦安市: 市営墓地公園の通常墓所を返還する際、使用料の一部を還付する制度。
  • 大阪府高槻市: 既存のお墓を撤去して市内の合葬式墓地へ改葬する場合、使用料を軽減する措置。

このように、「その自治体が運営する公営墓地を返還する場合」に限って、撤去費用の一部補助や、納付済みの使用料(永代使用料)の一部還付が行われるケースがあります。

確認方法
お墓がある市町村役場のウェブサイトで「墓地 返還 補助金」「改葬 助成」などで検索するか、「環境課」や「墓地管理課」へ直接電話で問い合わせてみましょう。「知らないと損をする」代表的な制度ですので、ダメ元でも確認する価値は十分にあります。

墓じまい費用が払えない時の解決策

墓じまい費用が払えない時の解決策

見積もりを取ってみたものの、どうしても資金が足りない…。そんな時、絶対にやってはいけないのが「放置すること」です。

お墓の管理料を滞納し続け、連絡も取れなくなると、法律に基づき「無縁墓」として扱われます。最終的には管理者によって強制的に撤去され、遺骨は無縁仏として合祀されてしまいます。これはご先祖様に申し訳ないだけでなく、親族としての社会的信用を失い、場合によっては未払い管理料を請求されるリスクも残ります。

費用が払えない場合は、以下のような現実的な解決策を検討してください。

1. メモリアルローン(建墓・仏事ローン)の利用

多くの石材店は信販会社と提携しており、墓石の購入だけでなく、墓じまい(撤去工事)にも利用できる「メモリアルローン」を取り扱っています。また、銀行や信用金庫などの金融機関でも、仏事全般に使える多目的ローンを用意しているところがあります。

金利は概ね3%〜8%程度。一般的なカードローンよりは低金利で借りられることが多いです。分割払いにすることで、月々の負担を数千円〜数万円に抑え、無理なく墓じまいを進めることができます。

2. 親族間での協力要請

「恥ずかしくて言えない」と一人で抱え込むのが一番危険です。祭祀承継者だけでなく、お墓に関係する親族(兄弟、叔父叔母など)に現状を正直に話し、カンパを募るのも一つの方法です。「将来、無縁墓にしてしまうよりは、今みんなで少しずつ出し合って綺麗にしまおう」と提案すれば、理解を得られる可能性は十分にあります。

複数の石材店で相見積もりを取る

複数の石材店で相見積もりを取る

墓じまいの費用を安くするために、最も効果的かつ即効性がある方法は、「相見積もり(あいみつもり)」を徹底することです。

特に、指定石材店のない公営霊園や地域の共同墓地にお墓がある場合は、必ず3社程度の石材店から見積もりを取りましょう。1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか、適正なのかどうかが判断できません。

比較すべきポイント

  • 1㎡あたりの解体単価: 基本的な作業費です。
  • 重機使用料・運搬費: ここに業者の工夫や差が出ます。
  • 残土処分費: 廃棄物の処理費用も業者によってルートが違うため差が出ます。
  • 担当者の対応: 質問に対して明確に答えてくれるか、親身になってくれるかも重要です。

また、依頼する「時期」も重要です。お墓業界にも繁忙期と閑散期があります。お盆(7月〜8月)やお彼岸(3月、9月)の前後は石材店も大忙しですが、それ以外の時期、特に冬場(1月〜2月)や梅雨時期(6月)などは比較的工事が空いています。

「急がないので、お店の暇な時期に合わせて工事をしてほしい」と伝えることで、値引き交渉がしやすくなる場合があります。

樹木葬や合祀墓など供養先の選択

樹木葬や合祀墓など供養先の選択

記事の冒頭で、墓じまいの費用は「新しい供養先」によって大きく変わるとお伝えしました。ここを工夫することが、費用圧縮の最大のカギとなります。

もし、「立派な新しいお墓」にこだわらないのであれば、以下のような供養方法を選ぶことで、費用を大幅に、場合によっては数十分の一に抑えることができます。

供養先費用目安特徴とメリット・デメリット
合祀墓
(永代供養墓)
5万円~15万円【最も安価】骨壺から遺骨を取り出し、他の方の遺骨と一緒に埋葬します。後から遺骨を取り出せないのがデメリットですが、管理の手間は一切かかりません。
手元供養2万円~10万円【費用最小限】遺骨を自宅に引き取り、小さな骨壺やアクセサリーに入れて供養します。お墓代はゼロですが、将来自分が亡くなった時にどうするかを考えておく必要があります。
樹木葬30万円~80万円【人気上昇中】墓石の代わりに木や花をシンボルにします。個別に埋葬されるタイプと、合祀に近いタイプがあり、タイプによって価格差があります。
海洋散骨10万円~30万円海に遺骨を撒きます。業者が代行する「委託散骨」なら5万円〜と安価ですが、お参りする場所がなくなる点に注意が必要です。

「お墓を継ぐ人がいないから墓じまいをする」というケースであれば、管理費がかからず、永代にわたって供養してもらえる「合祀墓(ごうしぼ)」や「樹木葬」が有力な選択肢になります。また、一時的に自宅で保管する「手元供養」であれば、初期費用は骨壺代だけです。

墓じまいの費用平均を把握しプロへ相談

墓じまいの費用平均を把握しプロへ相談

墓じまいは、単なる「工事」ではありません。行政手続き、親族間の調整、お寺との交渉、そして新しい供養先の手配と、やるべきことが多岐にわたります。費用も30万円から300万円と幅広く、それぞれの家庭の事情やお墓の状況によって、最適なプランは千差万別です。

ここまで読んで、「やっぱり大変そうだな…」「自分たちだけで決めきれないな」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。そんな時は、無理をせずプロの力を借りましょう。

まずは、信頼できそうな石材店や、墓じまい代行業者、あるいは仏事コーディネーターに相談し、「自分の家の場合は具体的にいくらかかるのか」という正確な見積もりを出してもらうことから始めてください。

トータルコストを把握した上で、親族と「うちはここまでお金をかけられる」「これならみんなで分担できる」と腹を割って話し合うことが、後悔のない墓じまいへの第一歩です。この記事が、あなたの肩の荷を少しでも下ろすきっかけになれば幸いです。

※本記事で紹介した費用相場は、あくまで一般的な目安です。実際の金額は、墓地の立地条件(重機が入るか等)、契約内容、地域差、お寺との関係性によって大きく異なります。最終的な金額や手続きについては、必ず各公式サイトや専門家へ直接ご相談の上、ご判断ください。

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